『ネット広告クリエイティブ“打ち手”大全』の広告ネットワーク別の打ち手をまとめてみた

Mikihiro Fujii
Aug 29, 2023

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目次

  1. 書籍の紹介と記事の意図
  2. まとめ❶ 広告の型
  3. まとめ❷ 広告ネットワーク攻略法
  4. 終わりに

書籍の紹介と記事の意図

この記事は、『ネット広告クリエイティブ“打ち手”大全 広告運用者が知るべきバナー&LP制作 最強の戦略 77』(以下『打ち手大全』)の内容から、広告ネットワーク別の打ち手についての内容を抽出してまとめたものです。

広告用のバナーなどはデザイナーが制作しますし、デザインのマネジメントのためにも知見は持っておきたいものです。

『打ち手大全』は、著者の1人である宝田さんからご恵贈いただいたのですが、豊富な運用実績から出た課題に対する打ち手の知見が惜しみなく掲載されている良書でした。

ただ、個人的には現時点で具体的な課題を持っているわけではなく、幅として用意しておきたいというニーズがなので、本の各所に散らばった情報をまとめてみることにしました。同様のニーズを持たれている人のヒントになり、また『打ち手大全』に興味を持つきっかけになればうれしいです。

また、Mediumの仕様上Tableを使用できないので画像になりますが、
同じ内容をMiroで用意しましたので、テキストとして必要な方はそちらをご利用ください。

まとめ❶ 広告の型

バナーの型

  1. キャッチコピー型
    使うタイミング:良いキャッチコピーが見つかったら迷わず
    要素/TIPS:文字数を最小限に。コピーの視認性を高める。
  2. UI/UX型
    使うタイミング:広告として認知されることを避けたい時
    要素/TIPS:商品の購入フローを書き出して良い体験を見つける。動画とも相性良し。
  3. 比較型
    使うタイミング:より多く(具体的な)情報を伝えたい時
    要素/TIPS:不等号、グラフや表、天秤、ビフォーアフター
  4. テキスト型
    使うタイミング:広告的なビジュアルで、広告的でない訴求をしたい時
    要素/TIPS:限定訴求×人間味のあるお願い→断りづらい
  5. クチコミ型
    使うタイミング:既に認知しているターゲットを狙う時。リタゲ、大量生産向き。
    要素/TIPS:口コミや共感型コピー。ユーザーの(っぽい)写真。

キャッチコピーの型(使うタイミング、要素/TIPS)

  1. リアルイメージ型
    要素/TIPS:商品を手に入れた後のイメージを5W1hや数字を交えてリアルに表現
    BASE Breadの例:1袋160円〜で完全栄養の朝ごはん。電子レンジで20秒。ふっくらチョコパンの「完全栄養朝ごはん」完成
  2. ターゲット絞込型
    要素/TIPS:デモグラ指定
    BASE Breadの例:3〜5歳の子どもの栄養が気になるママへ。共働きで時間がなく、料理が作れないとお悩みの方へ。
  3. 指摘型
    要素/TIPS:課題やコンプレックス→説明文で解決策を提示
    BASE Breadの例:食べないダイエットは卒業しよう
  4. 比較型
    要素/TIPS:誰でも知っているポピュラーな対象と比較する
    BASE Breadの例:サラダチキンより高タンパク。プロテイン級のたんぱく質。
  5. 共感型
    要素/TIPS:使用後のユーザー目線のベネフィット・課題解決
    BASE Breadの例:「ほんとに完全栄養なの?」ってくらいおいしいです
  6. 感情移入型
    要素/TIPS:使用前のユーザー目線の課題や理想の心の声
    BASE Breadの例:コンビニランチを卒業したい

まとめ❷ 広告ネットワーク攻略法

広告ネットワーク別

■ LINE広告
目の付け所❶:インプレッションの90%を占めているトークリスト(53.5%)とLINE NEWS(40.9%)に注力。
打ち手:トークリスト攻略には、配信面による表示サイズの差異が無いSmall Imageが重要。
ただし、小さな文字は読めないので画像のみや大きな文字にするなどの工夫が必要。(別ソースでサイズ別impではSmall Imaggeが約50%という話も。)
Cardはすべての配信面に対応しているが、トークリストとLINE NEWSで表示サイズが全く異なるのでSmall Imageを使う。

■Google検索広告
目の付け所❶:
手動入札の活用
打ち手:運用者の仮説立案力のためにもまずは手動。
勝ちパターンが見つかったら自動生成活用。
CPC:配信されないかもしれないくらの金額から1円ずつ上げていく。

目の付け所❷:自動生成の活用
打ち手:あらゆるキーワードを見出しとして登録しておく。

■GDN
目の付け所❶:
始め方
打ち手:「キーワードによるコンテンツターゲット」がおすすめ。
5つ程度から始める。商品の価値に関するメジャーなキーワード。キャッチコピーで使用しているものなど。

目の付け所❷:最初に取り組む画像サイズ
打ち手:300*250の自社作成バナーから始める。
Web記事の末尾など配信面の質が高い。レスポンシブは要素を指定できないので、まずは自社制作で検証。

目の付け所❸:キーワードの運用
打ち手:「顕在」「顕在+ビッグワード」「ビッグワード」の3つのグループに分け、それぞれで上限クリック単価を変えて入札。
配信面での実績とトレンドから少なくとも週一でアップデート。

■YDA
目の付け所❶:
始め方
打ち手:プレースメント(配信面)でのターゲティング設定がおすすめ。
CVRが高いYahoo面から始める。
news.yahoo.co.jpとm.yahoo.co.jpでは相性が違うので入札を調整。
サーチワードターゲティングでは、検索広告での数字を元にキーワード選定する。

目の付け所❷:300✕300サイズのバナー
打ち手:配信面によって表示サイズが小さくなるので小さな文字は入れるべきではない。

■Facebook/Instagram共通
目の付け所❶:
類似オーディエンス
打ち手:複数のソースを組み合わせることで精度を上げる。

■Twitter(X)
目の付け所:「キーワードターゲティング」:口語で登録
「フォロワーターゲティング」:キーワードと組み合わせて絞り込む

■全般
目の付け所❶:
競合調査
打ち手:metaの「広告ライブラリ」を使うhttps://www.facebook.com/ads/library/?active_status=all&ad_type=political_and_issue_ads&country=JP&media_type=all

目の付け所❷:潜在層対策
打ち手:まずは顕在層向けで高い成果のバナーをテスト

目の付け所❸:攻略の順番
打ち手:インプレッションやクリックが多い順

目の付け所❹:ネイティブ感
例:Instagramのストーリーズでは、写真やパーツを一般ユーザー風にしたり、ボタン位置を目立たせる。

広告ネットワーク全般

  1. 競合調査
    打ち手:metaの「広告ライブラリ」を使うhttps://www.facebook.com/ads/library/?active_status=all&ad_type=political_and_issue_ads&country=JP&media_type=all
  2. 潜在層対策
    打ち手:まずは顕在層向けで高い成果のバナーをテスト
  3. 攻略の順番
    打ち手:
    インプレッションやクリックが多い順
  4. メディアらしさ
    打ち手:
    例:Instagramのストーリーズでは、写真やパーツを一般ユーザー風にしたり、ボタン位置を目立たせる。
  5. 動画広告はまずは静止画の延長線で
    打ち手:
    YDAでは、ユーザーが記事目的なので静止画を見る体験に近い。(静止画4枚のカルーセルがおすすめ)

終わりに

型があると自分が打っていない手がわかるので、デザイナーとしてもパターンの幅を広げやすいですね。
書籍の内容はもちろんこれだけではなく、経験則も含めた非常に実践的なものになっているので、興味を持たれた方は手元に置かれることをおすすめします。

また、このまとめは現在僕が主宰している、重要だけど先延ばしにしていることを人に共有することで進捗させる「進捗共有会」を利用することで公開に至ることができました。
あらためて、人に宣言するとなんとかやり切ることができることを実感できた良い事例になりました。
(進捗共有会に興味がある方はご連絡ください。)

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